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組織に「信頼」を作り出すためにするべきこと

HBRで良い記事があったので紹介しておきます。

If Employees Don’t Trust You, It’s Up to You to Fix It

本記事は組織の中のTrust(信頼)を懸念するCEOが増えているとし、また信頼は経営のコストを下げるという考え方を紹介しています。

PwCのCEO調査によると、3年前は37%だった「組織の中の信頼が欠如している懸念」は、55%までに上昇した。

組織の信頼が上昇すると、コストは下がり、また経営のスピードは上がる。なぜなら下位レベル従業員(非経営層、非管理職)の半分以上は会社のことを信頼しておらず、経営者は従業員との信頼関係構築に心血を注がなくてはならないからだ。

そのうえで、信頼を損ねる要因である倫理的に問題あるマネジャーをどう管理するかについては、性悪説よりも性善説でのマネジメントが主流であると述べています。

今日の好業績企業のリーダーは、わずかに存在する悪いマネジャーに向けて事細かなルールを定めたりはする代わりに、彼らが会社の利益になるように行動してくれるよう期待するアプローチをとる。

具体的な提案として、本記事では4つのアプローチが紹介されています。


①Hire for Trust (信頼に足る人物を採用する)

テクニカルスキルや知識が人間性より重要になることはない。特にマネジャーの採用においては。面接においてその人の振舞いについて聞く質問よりも知識を重視する質問をすることは、その人物の誠実さを見るという事を見落としてしまう。(略)人間性を見抜く質問をするべきである。例えば困難な目標をチームや組織が達成するために、苦労をいとわず取り組んだかどうか、いったような質問だ。

②Make Positive Assumptions About People(人材に対してポジティブな仮説を持つ)

従業員に対してネガティブな仮説を持つマネージャーは、マイクロマネジメントに終始し、必要なリソースを供給せず、与える情報も限定し、筋違いなルールや方針を打ち出し、結果として最良の人材のパッションまでも損ねる結果に陥ってしまう。
ポジティブな前提を持って接するには、細かな管理を放棄することを示すことである。チャレンジングな課題を与え、明確な指針を示す。そして情報の透明性を高める。社員が悪用するのではないかという仮説のもとに、情報を隠し過ぎることを控えるのだ。

③Treat Employees Fairly, not Equally(社員を同じように扱うのではなく、公平に扱う)

もし2人の従業員が個人的な理由で休暇を申請したら、あなたは2週間の有給休暇を自動的に承認しないだろう。その社員の状況や、能力、在職期間について考慮して判断するはずだ。同じことを規律についても適用すべきだ。全てのケースを同じようなルールで扱うことで起きる、離職やモチベーション低下のリスクを認識するべきだ。

より良いアプローチは、より”大人なディスカッション”をすることだ。問題の原因を見出し、適切な解決行動を導くことを社員に求める。こうした「カウンセリング型」のアプローチの方がスピードも速く、また相手に敬意を払ったやり方であり、より良い結果をもたらす。


④Create a Zero-Tolerance Policy for Deceitfulness (不正義に対しては、一切許容しない=ゼロ寛容)

例えば、多くの会社では酒に酔って仕事をすることにたいしては一切の許容性を持たない(ゼロ寛容)。なぜなら安全は何よりも優先するからだ。会社の文化についても同じことをいうことができ、信頼は何よりも優先する。それゆえ、少しの不正も認められてはいけない。ちょっとした嘘、も同様だ。

ゼロ寛容を貫くということは、つまりは自分自身についても同様の基準を持つ必要があり、また過ちがあれば素直に認めるということだ。我々は必ず失敗する生き物だ。リーダーであるあなたが自分の欠点や失敗を認め、あなたのチームはあなたを信頼し、また尊敬するだろう。


(感想)
個人的には、海外でマネジメントをしているマネジャーほど性悪説で人を見てしまう。人種や文化の異なる、言葉の通じない人を腹の底から信じられない気持ちも心情的にはわかる。しかしながら、人は信用されていなければベストなパフォーマンスを発揮することはない、ということは明らかだ。マネジャーの仕事は、部下を信頼する勇気を持つことだ、ということを改めて肝に銘じたい。