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Learning Web

起業、人材、アジア、などなど

なぜ日本の子供は一人で学校に行けるのか

この記事が面白かったので、一部抜粋の翻訳と感想を書いておきます。


「なぜ日本の子供は一人で学校に行けるのか」
Why Japanese Kids Can Walk to School Alone


東京のような大都市であっても、幼い子供が電車に乗ったり一人でおつかいに行くことができる。

この際立った独立心はなぜ生まれるのか。文化人類学者のDwayne Dixonによるとそれは「集団への信頼性」(Group Reliance)によるものだ。日本の子供は早くからそれを学び、すべてのコミュニティの構成員がそれを助ける存在として貢献することが期待されている。

こうした規範は、例えば学校で教えられる。順番に掃除の担当になったり給食当番になることを経験し、専門のスタッフに頼ることは無い。例えばトイレ掃除なども行うことを通じて、色々な労働を分け合うことを経験する。

公共空間に責任を持つ、ということを通じて当事者意識を身に着ける。また、掃除を自分たちでしなくてはいけないため、その場を汚した結果がどうなるか、ということを具体的に学ぶことができる。

日本は犯罪率が非常に低い。それゆえ両親は自信をもって子供を一人で出かけさせることができる。

また日本人はどこでも歩くのが当たり前であり、それも安全性に貢献している。車よりも公共交通機関の便利さのほうが上回る。すべての移動の半分は電車かバスで、4分の1は徒歩だ。

子供たちにこのように自立させることを通じて、親は子供と、そして社会全体への深い信頼感を抱くのである。世界の多くの子供たちが"自分のことは自分でやる"子たちではあるが、この日本の状況は西洋からみると非常に興味深く、それはそこに信頼感、そして協力姿勢を見るからである。

ここまでが抜粋、ここからは感想です。

今、日本とタイの文化を比較するワークショップを作っているのですが、色々調べていると地理的要因、宗教的要因に加えてやはり「初等教育」というものの影響の大きさを感じます。
この記事にあるように、日本人からすれば当たり前の掃除や給食当番といった体験を通じて我々は集団に対して責任を持つこと、また労働を分け合うということを身をもって学んでいるわけです。こうしたことは日本以外の国からすればとても驚くべきことだ、ということをこの記事は教えてくれます。

確かに私もタイに住むようになって「子供が一人で出かけられない世界」が(少なくとも東南アジアでは)むしろ普通であることを知りました。それに対して先日一時帰国した際に息子が通った日本の小学校では、小学一年生が友達同士で勝手に遊びに出かける、という行動を皆がとっているのを知って驚きました。この記事が指摘するような「コミュニティへの信頼感」というものがまさに違いとしてあり、それによって自立心や協力姿勢の育まれ方が異なるのだな、ということが実際に海外と日本を行き来するとよくわかります。(正直その点においては日本で子育てしたいな、と思いました)

こうした違いは仕事の仕方にも影響を与えているでしょう。グローバルなビジネスでも日本人はよく「ボールを拾う」人が多く、それゆえチームに貢献できる人が多いです。一方で外国人が「ボールを拾って」くれないことにしばしば日本人は不満を持ちますが、こうしたコンテキストを共有していないのですから、それを最初から期待するほうが間違っているといえます。

我々がマネジメントをしていく上でまず大事なのはこうしたお互いのビヘイビアの裏側にあるコンテキストを理解すること。そしてその上で、組織の構成員として期待したいvalueを定義し暗黙ではなく明文化する。それに対しては人種や文化を超えて従う、といった組織運営を行っていくことが、グローバル時代の組織運営では大事だと思います。

色々と気付きの多い記事でした。