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Learning Web

起業、人材、アジア、などなど

海外就職を目指す前に

最近、学生の方からコンタクトを頂くことが増えてきました。なぜ僕に?とも思いますが、せっかくコンタクト頂いているので僕なりの意見をお伝えするようにしています。

一番聞かれるのは、「グローバルで活躍できるビジネスパーソンになりたいんですが、どうしたらいいですか?海外就職を目指した方がよいですか?それとも最初は国内で経験を積んだ方が良いんでしょうか?」という質問。どちらが良いのかは色んな条件によってきまるので難しいですが、もし僕が昔の自分にアドバイスをするなら、「就職以前にまずはしっかり勉強したかどうかが世界では問われるので、まずはしっかり勉強を」と伝えたいです。

この事を理解する上では、まず世界では「シグナリング」が強く働く、という大原則を押さえておく必要があります。

シグナリングとは、その人の属性や肩書がその人のブランドに影響を与える効果の事を指します。履歴書に「東大、ハーバード卒」と書いてあれば優秀だろうと判断し、「マッキンゼーP&G」と書いてあればこの人はグローバルに活躍できるんだろう、と思われる効果の事です。世界に出ると言葉や文化、また経済の状況もすべてが違いますので、そんな中で「誰でも知っている大学や企業の出身である」というのは非常に強いパワーを発揮します。

日本ではここ10年〜20年、「学歴否定」の風潮が高まりました。「勉強が出来る事=社会で活躍できる事ではない」という論理ですが、これは日本独特の現象で、世界を見れば間違いなく学歴社会です。アジアの多くの国々でも、アカデミックなバックグラウンドは非常に重視される傾向にあります。「世界で」キャリアを築こうと思うなら、学歴は必要なパスポートになります。最低限修士号は持っておいた方がよいです。

しかし日本の大学で学部時代から勉学への高いモチベーションを持っている人はそう多くなく、「はやく社会に出たい」と思う人が多いのも現状です。それであれば一度仕事をして、その後勉強すれば良いと思います。断言しますが、社会に出て一生懸命仕事をすると、「もっと勉強しておけばよかった」と必ず思います。そして、「もう一度学校に行きたい」と思うようになります。ゆえに、会社選びの際には、若い社員がどれくらい勉強に時間を割いているかを聞いてみるというのも良いでしょう。

学歴に加えて、もう一つ働くシグナリング効果は、「職歴」です。もし「世界で」キャリアを築きたいのであれば、世界の人が誰でも知っている企業を選ぶ、というのは非常に有効です。外資系企業でもいいですし、トヨタやホンダなど、世界の人が一目置いている日本企業でも良いです。

海外の学生の就職人気ランキングなどを一度見てみるのも良いでしょう。例えばシンガポールにはSingapore100というサイトがあり、人気上位100社を確認する事が出来ます。シンガポーリアンからはPwC、Shell、Ernst&Young, ExxonMobil,Google, JPMorgan,といった企業が人気のようです。ちなみに日系からは84位にSonyがランクインしています。
http://singapores100.com/rankings/

ちなみに私は、こう書きながらも学歴の話はブーメランで、私自身が学歴が十分でない為に海外で苦労している立場でもあります。一方で、私の場合新卒で入った会社がたまたま世界でも名が通っている企業であるため、それが海外で初めて会った方との話題には結構役立っています。

なお、最後に「日本の成長ベンチャーに入る」という選択肢についても触れておきます。

私自身もベンチャーぽい会社にもいたのでベンチャーの素晴らしさは実感しています。経営者への道を最速で駆け上がりたいのであればベンチャーを選んだほうが良いと思います。実際、短期間で成長できるのは大企業よりベンチャーでしょう。一方で、多くの日系ベンチャーは国内で閉じがちなので、「海外でのキャリアを」と志向するのであれば注意して選んだほうが良いかもしれません。会社の方向性として、海外展開の意志が(名目では無く実態として)あるかをよく把握した方がよいです。また、先のシグナリング効果を考えると、世界で名の知れている日本のベンチャーというのはほとんどありませんから、そこはよく検討した方が良いと思います。

今日は以上です。