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日本は衰退するから、これからはASEANだ!への違和感

最近、よく日本からの学生さんが訪ねてくれます。そういう人と会うのはとても楽しく、一つ一つの出会いに感謝するばかりです。

「なぜ東南アジアに興味を持ったの?」と聞くと、多くの人が言うのが「日本はこれから人口も減って衰退していく国なので、これから成長していく地域でキャリアを積んだ方が良いんじゃないかと思って」という理由です。間違いではないと思うけど、「別な理由も見つかると良いね」と僕は返します。

「日本が衰退するからASEAN」という選択は、「日本を選ばなかった理由」であって、「ASEANを選んだ理由」では無いと僕は思います。日本より相対的に優位であっただけで、成長国であれば他にもたくさんあります。

相対的に選んだ選択肢は、やがて相対的に選ばれなくなります。ASEANの成長もいずれ止まります。その時にその人はまた別な国を探すことになるでしょう。それも一つの生き方ですが、本当にそれでよいのかな?と思います。

金銭的な投資なら成長国に張っていれば良いでしょう。でも自分の人生の時間を投資するということは、経済的なリターン以上の意味があります。その国で時間を過ごす事で得られる様々な人生経験が得たくて、若者は海外を目指すのではないでしょうか。その時の指標が経済的な成長率だけで良いのでしょうか。

その国の何に自分は惹かれるのかをちゃんと感じることだと思います。「なんとなく癒される」「なんとなくエネルギーをもらえる」そういう事でも良いと思います。自分の感覚に論理的な説明は不要です。優等生ほど、理由で説明をしようとしてしまいます。「経済成長していて・・」「多様性があって・・」そういう理由は頭で考えた理由に聞こえます。「なんとなく好きだから」が一番強いです。

結婚相手選びにも似ているかもしれません。年収で結婚相手を選んでしまうと、相手の年収が下がったときに離婚したくなってしまいます。「とにかく相手が好きだから」という理由がもっとも強い理由でしょう。それがあればそれ以外の条件に変化があっても乗り越えられます。

ちなみに、こういった理由で、「これからはシンガポールだ!」といったような一面的な扇動をする人は僕は以前から違和感を覚えています。選択肢を紹介することは良いですが、人がどこに住み、子供をどこで育てるのかは人それぞれではないでしょうか。

自分の中の「なんとなく好き」に自信を持ってキャリア選択できる若者が増えると良いなと思います。ちなみに自分は、バンコクの街、人、家族との生活全般がとても好きなので、バンコクという場所を選んでいます。