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リクルートのDNA(1)

引越しに向けて荷物を整理していたら、書籍「リクルートのDNA」が出てきました。2007年の出版の時に確か読んだので、10年ぶりに手に取りました。その中で「成功する起業家の二十か条」というのがあったので、いくつかピックアップしておきます。

二. 人がついてくることが大切だが、そのためにはまず自らを磨くこと。必ずしもカリスマ的魅力が無くても、人がついてくるやり方を身に着けることはできる。重要なことはメンバーの誰よりも優れた仕事を熱心にしていて、それを継続していることである。

六.多くの資本を要さない仕事から出発すること。多くの資本を要する事業は大企業が担当する新規事業である。

八.失敗を恐れぬ勇気を持つこと。人は起業すれば途中で必ずと言っていいほど失敗する。しかし、ピンチはチャンスでもある。ピンチにどう対応するか否かの鍵である。部下の失敗にも寛容でなければならない。部下の失敗からも学ぶことが多いことを知っておくべきである。

九.若くかつ就職しないで起業すること。人はその人がその時までに経験した延長線で物事を考えがちである。サラリーマンから見る経営者とその実像には大きなギャップがある。また、年を取ってからではやり直しは難しいが、若ければやり直しがきく。ビジネスの経験がない白紙の方がいい。無知から来る無謀が人に出来ないことを成し遂げさせる。また企業には体力と気力が漲っていることが重要である。その面でも若いほうがいい。

十四.起業家に求められるものは倫理観である。倫理観の無い起業家は、いずれ破綻する可能性がある。

十九.起業家は自分の考えは正しいから必ず成功するというところから出発するが、それが正しいかどうかを決めるのは顧客である。顧客と常に接して顧客の声を常に聴いていなければ、一時的には成功するが長続きしない。

稀代の天才経営者が言っていることは、とてもシンプルで無駄のない言葉です。自分はリクルートという会社に勤めたことは無いのですが、同社には常に影響を受けてきました。今、世界一を目指してチャレンジしている同社にも注目し、また応援しています。

ちょうど昨日あるディスカッションで、海外における理念経営の話になりました。理念浸透で最もパワフルな方法は、創業者のストーリーです。理念は、創業者がいなくなっても言葉に宿って受け継がれていくものですが、場所が海外になると言葉が翻訳され、意味が変わり熱量が落ちていきます。また、文化的背景が異なるので本来感動するはずの言葉が響かなかったり、違う受け取られ方をすることもあります。それゆえに、存命であろうとなかろうと、創業者という存在を活用するのは一つのやり方です。

ただリクルートは、理念経営でありながらも、人というアイコンに頼らず、理念を経営モデルに埋め込んで海外に輸出する様子が見て取れます。江副さんという人物が志半ばで表舞台から退いてしまったことと関係があるかもしれませんが、でも恐らくそうではないでしょう。あくまで経営モデルで、合理的に勝負する。そんなやり方もまたリクルートらしいなぁ、と思っています。