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マネジャーの仕事は「いなくなる」こと。

先日、バンコクで「生産性」についての勉強会をしていて、海外で働く日本人マネジャーはとにかく忙しいという話になりました。

海外日本人マネジャーは「兼務地獄」だと言われます。一つは横の兼務。経理の経験しかないのに、海外拠点は人が居ないので人事・総務・経理・ITのマネジメントを兼務させられててんやわんやになる、というのがよくある話。さらに厄介なのは縦の兼務。自分の下の現地人マネジャーがいない、または任せられないので自分がラインマネジメント業務を兼ねてしまっている、というケース。こちらは実務も発生するのでここで時間がさらに取られます。

この状況を解消するためには、とくに「縦」の方の解消をなんとかしないといけない。でも、下にいるローカルマネジャーは頼りない。じゃあその彼を外して、新しいマネジャーを採用してくるか、といってもそんなに簡単にはいかない。かくして多忙な日々は続く・・・(エンドレス)というのがパターン。

育っていないから、任せられない。でも、任せないと育たない。これはマネジメントにおける鶏と卵なわけだけど、突破口は「まず任せる」しかない。しかも、中途半端ではダメで「徹底的に手放す」ことをしないといけない。自分が手綱を持っていると、その人は本当の意味で主体性を発揮してくれない。

ポイントはいくつかあります。一つは、その会社にとって正しい人間性・価値観を持っている人に任せること。正しい価値観さえ持っていれば、スキルは伸ばせる。あとは育てる側の我慢。人間性が間違っている人を選んでしまうと、問題が起きた時に、信頼が持たない。

それからその人に正しい期待が伝わっているか。何をやってほしくて、何をやってほしくないか。その期待を明確に伝えたうえで、その範疇であれば思い切って任せてしまう。そして、多すぎない程度に、報告の頻度とレベル感を擦り合わせること。

それをしたら、最後は「いなくなる」ことです。MBA=Management by Absenseという言い方もあるようですが、意図的に自分が消えた状態をつくって、オフィスを回させてみるということも必要だと思います。自分がいなくなってもオフィスが回るような状態を作るには、自分がいなくなる時間を増やすしかありません。

自分ができているかというとまだまだですが、、、この四半期は積極的に「いなくなって」行こうと思います。