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一生学び続ける姿勢は杉田敏さんから学んだ

「人生で影響を受けた人を10人挙げなさい」と言われたら、杉田敏さんの名前は必ず入れたいと思います。NHK実践ビジネス英語の講師として長年ご活躍され、今もまだご健在で講座を担当されており、長年のファンも多いと思います。自分が彼の講座を聞き始めたのは高校生の時なのでもう20年も前で、大学時代にハマって彼を目標に英語を頑張ろうとやってました。社会に出てからは少し疎遠になり、それとともに自分の英語力も低下しはじめましたが、時々思い出したようにテキストを買ったりして、細々と彼からの学びを続けてきました。

彼の書籍はこれまでも沢山読んできましたが、杉田先生が素晴らしいのは英語を教える以上に「学び続ける」姿勢を教えてくれる点です。彼自身も日本GEやPR会社バーソン・マーステラでの華々しいキャリアを歴任してこられたビジネスパーソンですし、ビジネスパーソンが成長するためにはどうすれば良いのかを豊富なエピソードとともに教えてくれます。最近杉田先生は、新しい作品「成功したければ、自分より頭の良い人と付き合いなさい」を出版されました。そこから、気に入ったQuoteをいくつか抜粋してみます。

Hang with people smarter than you. (自分より頭の良い人とつきあえ。)

Whenever you are asked if you can do a job, tell'em, "Certainly I can!" Then get busy and find out how to do it. - T. Roosevelt (ある仕事ができるかと聞かれたら、「もちろんできます」と返事することだ。それから懸命にそのやり方を見つけよ。T.ルーズベルト

Time is the scarcest resource, and unless it is managed, nothing else can be managed. - P.F. Drunker (時間は最も乏しい資源であり、それが管理できなければ他の何事も管理することは出来ない -P.F.ドラッカー

The best way to make your dreams come true is to wake up. - Paul Valery (夢を現実にするいちばんいい方法は、目を覚ますことである。-ポール・バレリー)

All things are difficult before they are easy. - Thomas Fuller (すべての物事は困難の段階を経て、やがて容易になる。-トーマス・フラー)

英語の達人の杉田先生が最初に勤めた会社はアメリカの新聞社で、大学卒業時に既に英語で新聞記事を書いていたそうです。相当なレベルですが、彼は帰国子女だったわけでも、特別な環境に恵まれていたわけでもなく、ただひたすら努力をしてその英語力を身に着けてきた人です。彼の英語は未だに最新の状態にアップデートされており、インターネットの登場で英語表現が今もなお変わっていくことを読者に伝えています。例えばSNSの登場でunfriend という動詞がword of the yearに選ばれたとか、最近はTheyの単数形の用法が増えている、といった具合です。

彼の姿勢を見ていると、学びには終わりが無いことを改めて感じます。自分はいつもタイ人の若者のインタビュー(採用面接)をしているのですが、最近の若者がよく使うなーという言葉に「Fast Leaner」という言葉があります。特に優秀な大学の生徒ほど自分はファストラーナーだ、つまりすぐに学んでキャッチアップできる、といったりするのですが、こういう自己認識の人はだいたい僕は不採用にしてしまいます。何か一つの事を学ぶということはそんなにすぐに出来ることではありませんし、すぐに身につくようなことはたいてい価値のない事です。。もちろん時間の使い方や効率は大事ですが、学び終わったという状態は永遠に訪れず、学びに対してはつねに「謙虚さ」が求められるのだと思います。

常に学びを求める渇望感と、そのために自分を律する心を持つ大切さを教えてくれた杉田先生に今もなお感謝しています。