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将棋は野蛮なゲームなのか?

テレビを見ていたら、将棋AIの開発で高名なグリムベルゲン教授という方が、昨今のAIの発展いかに将棋の技の発展に貢献しているかを語っていて面白かった。曰く、昔は悪手とされていた指し手でも、将棋AIは遠慮せずにどんどん指す。人間のプロ棋士からすると思いもしない手が繰り出されるようになっている。連勝記録を作った藤井4段はAI将棋で育った、その象徴的な存在なのだとか。なるほどーと思いました。

僕は最近チェスをやっているのだけど、チェスなど世界のボードゲームと比べて将棋の最もユニークな点は、「取った相手の駒を使える」という点。それによって終盤になっても展開がわからず最後まで楽しめる面白さがある。確かにチェスをやっているとチェスは形成が不利になるとそこから逆転することはなかなか難しい。一方、チェスも歴史の中でいろいろ工夫をされてきて、いわゆる「ステイルメイト」(引き分け)というルールがあり、形成が不利になっても引き分けに持ち込むことが出来るようになっている。少ない駒で最後まで詰め切るのは意外と難しいので、それもチェスの面白さの一つ。

ちなみにチェスと将棋のエピソードでよく知られるのが、戦後GHQと舛田棋士の間で交わされたこのエピソード。

終戦直後、日本を統治していたGHQが、「将棋は相手から奪った駒を味方として使うことができるが、これは捕虜虐待の思想に繋がる野蛮なゲームである」として禁止しようとした。将棋連盟の代表としてGHQと相対した升田は「将棋は人材を有効に活用する合理的なゲームである。チェスは取った駒を殺すが、これこそ捕虜の虐待ではないか。キングは危なくなるとクイーンを盾にしてまで逃げるが、これは貴殿の民主主義やレディーファーストの思想に反するではないか」と反論した。(Wikipediaより)

取った駒を再利用するのは、捕虜を「虐待」しているのか、「有効活用」しているのかは見方によります。しかしヨーロッパの戦争というのは基本的には異民族、異教徒を相手にした戦争だったので、相手を味方に加える(しかも金や銀などの重要な戦力として加える)といた発想は、ゲームとはいえなかなか出てこなかったのではないか、と想像します。ゲーム一つにも文化的背景が透けて見えて面白いです。タイにも似たようなボードゲームがあり、まだやったこと無いのですが、どんなルールなのか調べてみたいと思います。