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「日本と日本人を良くしたい変人の会」に参加して

東京で「日本と日本人を良くしたい変人の会」という物凄い名前の会に参加。各種各様のバックグラウンドの人が集まって実に面白かった。

日本人と熱く語るというのが良く考えると久しぶりで新鮮だったし、改めて「自分はどういう形で日本に貢献したいのか?」についての想いを内省する良い機会となったので、少し書き留めておきたい。

昔から英語が好きだった自分は何となく海外で働くことに憧れ、外資系企業に入った。その時は海外との接点は持てなかったけれど、30歳過ぎてシンガポールとタイで仕事をする機会を頂くことで、自分が仕事をする場所はここなんじゃないかと思うに至った。

中でもタイという国に惚れ込んだのは、日本と同じく濃い文化を残したまま近代化した限られたアジアの国であり、また人生を楽しむ、人間らしく生きる、というやや日本人(というか僕自身が)見失いそうになっていたものをタイが教えてくれたから。

とりわけ家族の時間を大事にするという価値観は自分にとって響き、少なくとも子供が小さいうちはこの国で過ごすことで、自分も子供も良い時間が過ごせるのではないか?と思った。また、日本しか知らないで育った自分と比べて、幼いころから異文化に触れ、また英語も身に着けながら育った2人のわが子がどんな人生を送るのか、というのにとても興味を持った。そこで、この国で仕事と生活をしてみよう、と腹を決めた。

また同時に仕事の場面で目にしたのは、日本人や日本企業がかつての評価を失い始めている姿。かつてからあるガラスの天井の問題や、日本人リーダーのマネジメントが時にうまく行かないという理由で、現地人から日本というブランドへの評価が少しずつ落ち始めているのは、日本人としては残念に思ったし、何か貢献したいと思った。

これは自分がやるしか無いと勝手な使命感を覚え、現地に腰を据え、組織変革を支援するビジネスに取り組むことにした。その際に、自分の強みは相手の国籍に関わらずチームを作れることだと思ったので、現地の人に活躍してもらえるような組織を作っていくリーダーシップに自分の組織でまずはチャレンジしてみた。そもそも多様性を受け入れるのは、多くの文化や技術を「取り入れ」て発展してきた日本人は得意なんじゃないの?という仮説もあった。

よくタイに合うのは欧米型経営なのか日本型経営なのか、と聞かれるけど、それほどシンプルに切れるものではなく、どちらでも無い世界があると思っている。少なくともタイであればタイらしいやり方があるべきで、それは現地の人のリーダーシップでやるのが良い。但しそれをサポートするのは、アメリカ人よりも、地理的文化的に近いアジア人である日本人のほうがちょっとだけうまくできるんじゃないか、という自負を持ってやっている。

そんなわけで現地の企業を支援して3年がもうすぐ経とうとしている。ここまで何とかやってきたけど、もっとタイ、そして東南アジアの社会に貢献したいという想いで、マンガのビジネス教材というのを最近作った。これはアジアの人が大好きな日本のマンガをうまく利用して、彼らの成長意欲、自己実現を支援していきたいという取り組み。そんなものも現地に受け入れられたらいいな、というこれも新たなチャレンジ。

まとめると東南アジアという地域に出会い、感謝し貢献したいという想いと、またその活動を通じてやはり日本人や日本の素晴らしさを伝えたい、という両方のベクトルを何とか合わせようとしてきた3年間だったのかな、と感じる。まだまだ道半ばだけど、この思いは引き続き強く持ってやっていきたい。

ちなみに今日の議論でやはり多かった話題は「教育」。特に幼児教育から、高校生くらいまでのステージで、企業教育に比べると、なかなか我々のような民間のサービスが行き届きにくい領域。もちろん様々な取り組みはなされているものの、やはり本当に国を良くしようと思うと、行き着くところはそこなんだな、という事を再認識した。

ここにいるみんなで小学校創ったら多分相当いい学校ですね、やりましょうよ、と半分冗談、半分本気で言ってしまったけど、将来そんなこともできたらいいな、と夢を持てる良い時間でした。皆さんありがとうございました。あとはよく考えたら別に今日の人たち全然変人じゃなかったな、と思ったのだけど、思ったことをはっきり口にして行動する人たちが変人と思われてしまっているのが今の世の中だとしたら、それこそ変えて行きたいな、と思いました。

主催の高藤さん、いつもながら素敵なお誘いありがとうございました。