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日本が誇る理念経営は海外に広がるのか?

会社の存在意義、理念を重視した経営について。

最近タイの方と「タイの経営者は儲けることしか考えてない人が多い」という話題でディスカッションしていて、もちろん立派な経営者もたくさんいるものの、ふーむ、と思った。「理念が大事」と日本人の経営者はよく言うけど、それがなぜ大事なのか?はなかなかアジアの人に伝わらないことも多い。


それについて僕が思うことは3つ。

1. 企業の理念というのは「時代の価値観」の影響を受ける。日本だってバブルの頃はお金目当ての起業が多かった。タイの書店には今「金持ち父さん」が並んでいる。東南アジア全体ではAmwayやNuskinなどのネットワークビジネスが人気で、それも日本でかつて見た光景だ。そういう「時代の風」を浴びると、必然的に起業の目的がお金儲けになることは仕方ない。日本に「社会のために」という起業が多かった理由は、ソニーやホンダなど長らく日本をリードしてきた企業の多くが、「日本を焼け跡から立て直す」という動機を持った若者たちによって設立されたものだからだ。つまりは仮にタイの経営者が日本の経営者よりもお金儲けに比重を置いていたとしても、それは国民性などだけではなくも少し別な背景もあるだろうから、バランス感のある議論をする必要がある。

2.企業の理念のもう一つの要素は、「創業者の価値観」。やはり立派な人間の会社は立派な会社になる。つまりはリーダーの価値観、倫理感をいかに養うか。立派な人は一朝一夕にはできないけれど、特に価値観が養われるのは、10代後半~20代前半だと言われている。この時期に、どういう経験や勉強をするかでその人の価値観は形成される。倫理とは人間について理解をすることであり、実は人間についての普遍的な真理は既に多くの書物に書かれている。これは「読書」をすることで養われていく。いわゆるリベラルアーツがそれに当たる。タイの街中には本屋さんが少ない。そんなこともリーダーの倫理観に関係しているかもしれない。

3.一方で理念の「経営上の効果性」が理解されることも大事。理念はともすると感情的な語りになりがちで、左脳で理解したい人にはなかなか届かない。僕の論理は「儲ける」が目的だと本当に優秀な人は逃げていくということ。欲求の最上位は自己実現で、お金はそのために必要な手段。少なくない人が、お金を手にすると「大事なのはお金ではなかった」と語り始める。従い、経営ビジョンとして「儲け」をだけゴールにすることは優秀な人材を集めてモチベートする上では必ずしも合理的ではないということになる。理念の重要性が世界に広まっていくうえではこうした考えも必要ではないかと思う。
(FBポストから転載)