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葛藤にどう向き合うか

2016年が始まりました。今年は会社を始めて3年目になります。
弊社はまだまだ小さな会社ですが、昨年後半から少しずつ人が増えるにつれ、また取引先やパートナーが増えるにつれ、判断に迷う場面が増えてきました。
例えば、

・あるビジネスにGoするべきか?やめるべきか?(事業判断)

・社員の行動を厳しく指導するか?それとも優しく受け入れるか?(人材の管理)

・顧客やパートナー等、取引先との交渉に強く出るか?それとも譲歩するか?(ステークホルダーへの対応)

・・・等々。こうした葛藤(=自信の中で考えが対立すること)が日々発生していたのが私の2015年でした。仕事をしていれば当たり前のことばかりなので、皆さんも日々こうした葛藤に対してなんらかの判断をされているのだと思います。

恐らく会社が成長すればするほどこうした葛藤はその規模感や発生頻度ともに今後も増えていくのだろうなぁ、と思います。世の中の先輩経営者は色々とこうした葛藤を乗り越えて成長してきたのだと想像しますが、自分自身もこれらの葛藤を乗り越えていくことが、自分を成長させる意味で重要だなと思っています。

そこで今日は、葛藤した時に経営者が持つべき考え方を3つほどまとめておきます。

 

1.「自分の価値観」ではなく「会社の理念」を判断基準にする

例えば人材管理の場面。お客様へのメールの返信が遅い社員がいたとします。それに対して、「もっと早く返信しなさい」というだけではまだその社員はその行動を繰り返してしまう可能性があります。それは「なぜそうしなければいけないのか」まだ含めて伝わっていないからです。 

ある行動を社員に求めるためには、管理者からの個人的なフィードバックではなく、なんらかの基準が必要です。企業で言えばその求める行動の基準が「理念」です。社員は会社の理念という”旗印”のもとに集まっている集団であり、その理念を基準としてフィードバックすることには一定の合理性があります。理念に基準にすることで、「私たちが理念に掲げているように、お客様にスピーディーに対応することは、我々が我々であるために最も重要なことの一つです。それを分かってほしい。」と伝えることができます。

もっとも、いきなり理念を振りかざされても「?」となってしまうことも多いと思います。それゆえに、「どういう会社に入るつもりで入社してもらうのか」「どういう働き方を評価するのか」といった、人材の採用、評価の場面でこの理念を常に語っていくことが大事です。そもそも理念が明確でない場合も多いと思いますので、その場合はまずはそれを作ることから始めましょう。

この「理念」の基準は様々な場面で有効です。事業上の意思決定では、「このビジネスは自社が本来やるべきこと(ミッション)なのかどうか」が有効な基準となるでしょう。ステークホルダーへの対応では、「この会社(人)は自社の理念に共感して一緒に歩んでくれる人だろうか?」という考え方が一つの基準となります。

 

2.自分の感情を客観視し、マネージする

感情が高ぶっていては良い判断はできません。不安、恐怖、怒り・・・そうした感情を自分が持っているときは、それをまずは自分の中から追い出すことが必要です。

部下の指導の際には、よく「怒る」と「叱る」は違うと言います。感情に任せて「怒って」しまうと、相手には「ああ、この人は怒っているんだな」ということしか伝わらず、肝心の伝えたい中身が届かないと言われます。また「怒る」という行為は、自分が自分をコントロールできていない時にとる行為です。つまり自分自身に怒っているようなものです。

一方、「叱る」とは相手のためを思ってする行為だと思うのが良いでしょう。相手にどうなってほしいのか、ということを冷静に考えて、その内容が伝わるように話す。そう思えば冷静に話すことができます。

ステークホルダーとの難しい交渉や意思決定の場面でも、感情が揺れては負けです。優秀な経営者には囲碁や麻雀が強い方が多いですが、そうした経営者は常にポーカーフェイスで物事を進めることできます。そうした冷静な態度、周囲に安定感と抜け目のない印象を与え、有利な影響力となるでしょう。

 

3.数年後の目線に立って考える

人間、苦しくなってくると「今をどう乗り切るか」という目線で判断、行動してしまいがちです。しかし、今を乗り切っているだけでは自転車操業に過ぎず、未来の成長に向けた活動ができていないことになります。我々が事業成長に責任を負っている経営者の場合、それでは仕事をしていることになりません。

事業上の判断であれば、それは数年後の成長に寄与するのかどうか、をまず考えるべきでしょう。例えば当座の収益をもたらす一方で、ワンショットで広がりが乏しい仕事を受けるべきか?というのは一つの典型的な葛藤です。今年度の数字を作ることだけが仕事ではない経営者にとっては、本来であればそうした仕事は受けるべきではありません。しかしながら、それによって自社の経験・学びとなる、またブランディング効果がある、等によって将来の成長への糧となるのであれば別、という見方もあります。その案件からどういうメリットが得られるか、を中長期目線で考えるべきです。

人材への指導であれば、「ある社員をどこかで見切るべきか?それとも育てるべきか?」というのは典型的な葛藤です。その際に、その社員は、これから数年間かけて目的地まで一緒に”航海”を続ける乗組員としてふさわしいか?という目線で考えることも必要でしょう。数年にわたって在籍するということは、今後その社員にはプロモーションをさせ、会社の中核としてより重要な役割を担ってもらうことを期待する、というつもりで接する必要があります。自分にとってそのイメージが沸くかどうか、をしっかり考えることも、人材の見極めという意味では大切なことです。

 

以上です。

最後に、こうした葛藤のマネジメントには正解が無い、という視点も重要だと思います。ある種どちらを選んでも選んだ時点では正解・不正解は無いと思います。選んだ選択肢に対してどういう行動を取っていくかで、将来的に正解だったのかどうかが決まります。それゆえに、「自信を持って」意思決定することが重要です。その場の勢いや、感情に流されて判断をすることが最も避けなくてはいけないことだと思います。