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人材採用は「一点豪華主義」で。

先日の起業一年の感想にめちゃめちゃ反響を頂き驚いてますが・・・。今回はその中でも特に大切な人材採用についての考えを書いておきます。

弊社はいま5人のチームですが、できればあと2人採用したいので毎週2,3人と面接をしています。タイでの採用は正直言って難しいです。英語の面接で人間性を見抜くのが難しいというのはありますが、そもそもの就労感がかなり違いますし、また売り手市場なので、満足のいく人材に出会える確率は正直言って高くありません。ゆえに、とにかく妥協せずにどんどん会い続ける(結果一つのポジションを採るのに1年以上かかることも)か、またはある程度の妥協をしながら人材を入れていくのか、で悩むことになります。この辺はタイでマネジメントしている多くの人と共通する悩みじゃないでしょうか。

僕が意識しているのは、採用は「一点豪華主義」で行くべき、ということです。つまり、全てを満たす人はどうせ見つからないので、何か飛びぬけた能力を持った人を採用しようということです。

例えば弊社の採用基準は

・人間性が自社の価値観とマッチしている
・人事領域の知見がある
・英語が堪能である
・リーダーシップがある
ロジカルシンキングに長けている
・プレゼンテーションがうまい
タイ語ができる
・・・

などを挙げていますが、全てを満たす人にはまず存在しません。じゃあどうするかというと、全部「そこそこ」の人を採るのではなく、「どこかに特別に秀でている人を採ろう」というのが「一点豪華主義」の考え方です。ちなみに「特別に秀でている」の定義は、「チームの誰よりもできる」ことであり、さらに言えば「社長である僕よりもできる」ことです。

今の弊社のチームは、
「僕よりも英語がめちゃめちゃできる人」
「僕よりもプレゼンがめちゃめちゃうまい人」
「僕よりもロジカルシンキングが出来る人」
などで構成されています。

この考え方のメリットは、

1.本人の活躍の場が作れるので、自尊心、モチベーションの維持になる。
2.チームメンバー同士のリスペクトが作れる。スタッフというのは必ず揉めたりするものですが、その中でも「彼はあそこはスゴイ」というものが一つでもあれば、相互の信頼関係のよりどころになります。
3.組織全体のレベルが上がる。別々の分やに秀でた人をたくさん集めれば、そのナレッジがシェアされれば組織全体のレベルが上がります。これは「自分自身のレベルを上げ続ける」ことが仕事の社長にとっても非常に大きなメリットがあります。

これはドラクエのパーティーの作り方とも似てますね。勇者である社長は、全部知ってなくてはいけない反面、全部そこそこのある意味「何にも秀でていない」存在です。その周りに、戦士や魔法使いなどの特別秀でた人を集めてパーティーを強くしていくわけなので、何か長所を持ってくれているからこそパーティーでの存在価値があるわけですね。

ちなみにこの「一点豪華主義」というのは、もともとは「ちきりんさん」のブログから取った考え方です。

「一点豪華基準で行こう!」
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20081001

マンション選びや仕事選びなど、人生にとって大切なものは「すべてを満たそう」とするのではなく、とにかく一点秀でているものを選ぶ。この考え方は企業の人材採用でも大事だなぁと思っています。

なお最後になりますが、採用基準の一番目に挙げた「価値観のフィット」については、ここは妥協をしてはいけません。
価値観とは会社の根幹をなすものであり、ここがずれてしまうとほかのどんな要素を持ってカバーできません。また、価値観が合わない人を採用した場合の悪影響は計り知れません。
[共通した価値観」と「別々の強み」を備えた人を探して行く、というのが基本的な考え方だと思います。これはそもそも「それぞれの人にそれぞれのアイデンティティがある」という弊社の理念でもあるわけですが。

※弊社、絶賛人材募集中ですので、興味ある方はお気軽に連絡ください!(笑)
nakamura@a-identity.asia