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HRBPについての私的なまとめ


HRBP(戦略人事)についての私的なまとめ。

先日HRBPについて色々語り合ってみようと、東京滞在中に勉強会をやってみた。しかも東京、バンコクシンガポールを繋い各国の日系、外資のHRBPのみなさんに集まっていただけたので、多様な視点の入る場になった。以下詳細は省きますが、総論的なまとめと感想。

・ウルリッチモデルの中で特に実現度の低い「戦略パートナー」「チェンジエージェント」の2つの領域にやはり議論がフォーカスした。特に戦略パートナーについては、「戦略パートナーであることを期待すらされていない」という認識がほとんどの企業で見られて、理想と現実の距離感がまだまだ大きいある。

・それでもHRが戦略パートナーとなるためには2つの強みが発揮できる。一つはリソースト・ベースト・ビュー。ビジネス部門が目的を達成するためには今いる人材の量と質で果たして達成できるのか?という視点を持つ必要があり、それを付加するのが人事の仕事であり強み。もう一つは視野の広さと長さ。HRは社内全般に精通していること、また今期の業績に目が行きがちなビジネスに対してHRは中長期視野でものを考えられること。この視点を足掛かりとしてビジネスに価値を発揮する。ただしそのためには普段からビジネスに対して自分ならこうする、という仮説を持っておくことが大切で、戦略スキルは必要要件といえる。

・チェンジエージェントについては、価値観の守護神としてのConsistencyをどこまで発揮できるかが鍵。そのためにはHR自らが理念の体現者でなくてはいけない。ただし、ビジネス部門のリーダーが主役となって価値観を伝道していくことが望ましく、HRはあくまで仕掛け人の立ち位置を取りたい。ただし、高度なOD知見、ファシリテーション能力に裏打ちされた仕掛け人である必要がある。

・個人的に感じたこととしては、外資系のHRはHR一本でキャリアを歩むことが多いため、自分はHRパーソンであるというアイデンティティと矜持が育まれやすい。そしてHRスキルを武器に現場と対峙していくというマインドセットで仕事に臨んでいる。一方日系はジョブローテでHRを務めることが多いので、よく言えば現場と近く信頼を得られやすいが、悪く言えば専門性なしでぶつかって行きがちの傾向もある。HRというのは日系と外資の差が極めて大きい領域の一つだと思うが、日系企業のHRが「現場を知っている人事」という存在として日本的なHRBP像を作っていく可能性は十分にあるな、とも感じました。

以上です。