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書評 「仕事の強みの磨き方」

「仕事の強みの磨き方」(吉沢康弘著)を読みました。

これからのエリートだけが知っている仕事の強みの磨き方

これからのエリートだけが知っている仕事の強みの磨き方

ライフネット生命」の立ち上げに携わった超エリート社員達をつぶさに観察し、仕事の強みとは何かを明らかにした一冊です。

読んだ後の僕の率直な感想としては、ああ、これを20代の時に読みたかったなぁ・・・・というものでした。

自分は若いころは割と沢山の自己啓発本を読む(読んでしまう)タイプだったのですが、そういった成功本は、アメリカの学者が書いたものか日本の成功した経営者が書いたものが多い。前者はどこか遠い感じがするし、後者は「俺はすごい」という論調になりがちです。一方この本は「学者が企業をリサーチした本」でもなければ「企業家が自分の成功の秘訣を書いた本」でもなく、「あるビジネスパーソンがすごく優秀な同僚について書いた」という意味で、稀有なポジションの書籍です。

それゆえ、この書籍はスーパー優秀でありながら手の届きそうな、そしてとても具体的なロールモデルの数々を提示してくれます。毎日デスクでどんな様子だとか、どういう口癖が多いとか、まるでそういうエリートたちとあたかも一緒に机を並べ仕事をし、また同じミーティングに参加しているような臨場感を与えてくれます。言い換えると、過度に分析的ではなく、非常に観察的に書かれているのです。人の成長はいかに行動習慣を変えるかがポイントなので、優秀な人がどんな習慣を日々取っているのかを具体的に描写してくれるのは、読み手には非常に価値が高いといえます。

すべての世代におススメできる良書ですが、僕は特に若い世代(20代)に勧めたいです。特に日本の大企業に勤める若手です。自己成長のアプローチは「強みを伸ばすこと」と「弱みを矯正すること」の2つのアプローチがありますが、日本企業は伝統的に「弱みを矯正する」ことに重きを置く傾向がありました。最近こそ見直されていますが、比較的大企業ではまだ弱みにフォーカスするマネジメントや育成をする企業が少なくありません。しばしば言われるように「出る杭をたたく」という風潮が日本的コミュニティにはあるからですが、この「出た杭」こそが実は個々の「強み」に他ありません。

今回の書籍に描かれている精鋭たちは30歳前後、外資系企業出身が多いです。私はこの本を読んで、彼らは20代にハードな環境に身を置きながらも「出る杭」であることを許されながら仕事をしてきたのではないか、という仮説を持ちました。20代のうちから自分の強みを生かすという経験をすると、30代以降で大きな差がつきます。また、強みを伸ばすことは弱みを矯正するための近道でもあります。日系・外資という括りでいい切るつもりはありませんが、どんな環境であっても、20代のうちに自分の強みを意識して発揮する、そういうマインドを持って仕事をすることが、30代に大成する秘訣である、とこの本は教えてくれているような気がします。

20代の若手のみなさん、ぜひ手に取ってみください。