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「好き」を仕事にするべきか?

仲暁子さんのエントリーが話題になっています。

好きを仕事にするために必要な、たったひとつのシンプルなこと ウォンテッドリー仲暁子氏

好きなことをやればいい。けど、何が好きなのか? そもそもわからない。そういった方がすごくたくさんいると思います。

28年間生きてきてわかったことは、「情熱を注ぎ込めるものを、最初から持っている人はいない」ということです。これは岡本太郎の言葉から気づきを得たのですけれども。

世の中の偉業を成し遂げている人たちというのは、最初から情熱があったり、「これが好きだ!」と言って、そのことをしたのではなくて、とにかく目の前にあったオプションを、ひとつひとつ、愚直に地道にシンプルにやっていって、ダメだったらすぐ次! そしてその次のことに全力で向かう! ということを、愚直に地道にやっていった結果、これは自分が情熱を注げるものだと気づいたり、これは自分が好きなことだ、これを自分はやりたかったのだ! と気づく。

ということが、私もわかってきたんですね。ですので私も、ともかく目の前のオプションに全力でタックルして、やってみることにしました。


この記事について、彼女自身やWantedlyのことはとても素晴らしいと思っていて共感する部分も多いけど、同時に全ての人が「好き」を仕事にするのは結構大変だよなぁ・・と思ったりもする。

“Where the needs of the world and your talents cross, there lies your vocation.” (世界が求めるものとあなたの才能が交差する所に、あなたの職業がある)

アリストテレスが言っているそうですが、僕の考えはこれに近い。

つまり「will」(やりたいかどうか)よりも、「must」(やるべきこと=世の中が求めること)および「can」(やれること=自分の能力が高いこと)にフォーカスしたほうが成果が出やすいのではないか、と思っている。


人事の世界でのここ5年くらいのトレンドは「will重視」だろう。Mustで仕事をする日本人が多いことから、「やりたいことは何?」と問いかけるマネジメントが増えた。リクルート「Willシート」というのを導入したのは2008年のことだ。(その後リクルートのWillシートはWill-Can-Mustシートに名称変更になっているらしい。)僕も20代の頃は「will重視」派で、今もWillの大事さは強く感じるところだけど、オトナに?なるにつれて考え方のバランスがすこしずつ変わってきた。

好きなことを仕事にすることで幸福感は得られると思う一方で、どこかで成果に繋がらないと長続きしないし、いずれ楽しくなくなるのではないだろうか。そういう意味では、世の中のニーズがあって、かつ自分が他人より価値が出せる領域で仕事をしたほうが、成功の確率が高いと思う。

また、仕事をして成果を出すためには周囲の理解や協力が必要。その際に「好きだから」だけでは必ずしも十分ではない。「世の中が求めていること」「自分が人より秀でていること」も伴っていると、周囲からの支援を得やすい。強烈なパッションで人を動かすこともできるが、「本当に上手くいくの?」という目も意外と人は持っているもの。自分が「好きなこと」だけで人を動かすのは案外簡単じゃない。

仲さんだって、好きなマンガを描いても上手くいかず、webサービスで成功した。これって、webサービスを作れるという自分の特技を生かしたからだろう。単純にその領域が好きだっただけでなく、秀でた能力が会ったことも忘れてはいけない。そしてWantedlyを求める社会のニーズがとてもあったことも。

というわけで、「好きだから」で仕事を選べる人はそれはそれで十分素晴らしい。でも全ての人がそうで有る必要はない。「世の中のニーズがあるから。」「得意だから。それができるから。」でキャリアを選ぶことも十分に素晴らしいことだと思う。