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「今年こそ英語!」ならまず最初にやるべきこと

僕の周囲の人たちに聞くと、今年の目標で最も多い2つは「英語を頑張る」と「ブログを書く」です。中でも英語はやっぱりこれまで以上に多いですね。

さて、毎年「英語をがんばる」と多くのビジネスパーソンが目標設定しつつも、目に見えた成果を得るのはなかなか簡単ではないのではないでしょうか。そんな方には今年は「英語を頑張る」ではなく「英語で●●をする」という目標に書き換えてみることを提案します。

まず、ビジネスパーソンが仕事で使える英語を目指す上での前提として、有名な「愛の日記」「グローバルな英語」というエントリーの考え方がとても大事だと思いますので紹介しておきます。

本当にグローバルな場での真剣勝負のビジネスにおいて重要なのは、

ビジネスレベル以上の英語(重要度: 20%)
言った事がちゃんと相手に伝わっている事を確認できること=コミュニケーション力 (重要度: 80%)

というのが実感である。

ちなみにビジネスレベルの英語がネイティブレベルまで上がったとしても、ビジネス上はほとんど影響ないと言っていいだろう。あなたの英語力がネイティブ以下だから重要な取引ができませんでしたなどということはほぼありえない。ビジネスレベルの英語力があったのに失敗したのであれば、それはコミュニケーションに失敗したか、そもそも真剣勝負のビジネスの取引ではなかった、ということだ。

ちなみに、「真剣勝負」つながりでいうと、サムライが真剣勝負で勝つ上で重要なのは、

まともな剣を持っている(重要度: 20%)
剣の達人である(重要度: 80%)
という感じである気がする。

素人が超一流の名刀を持っていれば、しょぼい剣をもった達人に勝てると思っているなら真剣勝負をなめていると思わないだろうか?英語でのビジネス勝負もそれと完全に一緒である。完璧な英語力があれば国際的な舞台で活躍できると思っているならビジネスをなめている。


これは本当にそうで、「英語が下手でも英語を使って仕事している日本人はたくさんいる」んですよね。それよりは、「海外に関する領域で」and/or「外国人相手に」ビジネスをするスキルや知識を身につける方がよほど大事だと言えます。

つまり私が言いたいのは、英語のトレーニングをしなくても良いという意味では決してなく、実際に自分が価値発揮したいビジネスシーンに合わせて英語をトレーニングしたほうが一石二鳥だし、成果も手にしやすい、ということです。これが、「英語で●●する」という目標を設定すべき、という意味です。

例えば。

ビジネスパーソンの目標として代表的な「海外赴任」や「グローバルプロジェクトへの参画」を見据えた英語強化をしたいのなら、

・「英語でプレゼンができるようになる」ために 〜自社のビジネスプレゼンのスクリプトを(ネイティブに手伝ってもらって)用意して、それを繰り返し練習する。
・「英語でミーティングができるようになる」ために 〜営業やプロジェクトミーティングなどの設定で使う表現集を一冊買って丸暗記し、それをネイティブ相手に繰り返し練習する。
・「英語で資料作成ができるようになる」ために 〜自社の過去の英語の提案書やプロジェクト資料を徹底的に読み込み、自分でもアウトプットしてみて、他人に添削してもらう。

といったやり方のプロセスの中で英語を学ぶほうが良いように思います。英会話学校に行くにしても、個別レッスンにして、上記のような目的の練習に付き合ってもらう、などのほうが良いでしょう。

また「海外留学」を目指したいなら、

・「英語の授業に参加する」ために 〜Coursera等のオンライコースに実際に申し込む。
・「英語のスピーチが理解できるようになる」ために 〜TEDで好きなスピーカーのビデオをピックアップし、それをシャドーイング、できれば丸暗記する。

といった目標&勉強方法のほうが目的に近づくはずです。

あと、個人的にとても大事だと思うことは、「ネイティブスピーカー以外のお手本を見つける」ことです。流暢な英語が話せるに越したことはないですが、よほどセンスがあるか訓練を積まない限り、ネイティブと同じレベルでは話せるようになりませんし、なる必要もありません。一方で、日本人で努力を重ねて、上手な英語を話す人はどんどん増えており、そういう人が身近なロールモデルになります。目標は到達可能イメージが湧くことがとても大事ですから、なるべく自分が近づけそうな人をお手本にしたほうがモチベーションが上がると思います。(もちろんネイティブをお手本に練習することを否定しているわけではありませんので念のため)

なお、個人的にはTOEICを目標にするのはあまりお勧めしません。TOEICができても実戦で英語が使えない人は少なからずいますし、TOEICの勉強はどうしてもテスト対策になってしまいます。ただ、キャリアアップ上どうしてもTOEICが必要、という環境にもなっていますので、それに向けて割り切ってトレーニングするのはありだと思います。ただその際にも問題集を解くだけに終わらず、上記のような実戦的な内容を付加したほうがよいと思います。恐らくスコアにもプラスになるでしょう。

とまぁ、偉そうなことを書いてみましたが、もし参考になるようであれば今年の目標設定に生かしてみてください。自戒を込めて。(←魔法の言葉!w)

関連エントリ:
グローバル人材に必要なたった一つの英語スキル