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起業、人事、アジア、などなど

キャリアか、家族か。


キャリアか家族か、ということについて考えさせられたブログ。

http://blog.ladolcevita.jp/2013/12/05/good_to_be_together/

キャリアがどうでもいいとは思いませんが、家族という一番大事なものを犠牲にしてまで追うほどの価値があるものでもないと思います。 


僕自身、1人目の子供が生まれてから2回単身赴任をしています。今は幸い一緒に住めていますが、海外に家族を呼んで本当に良かったと思います。家族は一緒でないとダメです。なぜそう思うかと問われると難しいですが、強いて言えば「子供の顔にそう書いてある」から。子供の表情を見てるとそれが正しいんだな、となんとなく感じます。

ちなみに東南アジアでタレントマネジメントの議論をしていると、一番直面するのが「モビリティ」、いかに国を離れてもらうかという問題です。つまり、東南アジアの人々は住んでいた国を離れるという選択肢がない人が少なくない。自国の親戚に囲まれ、自国の文化で生きていくのが当たり前。従い単身赴任なども選択肢に無い人が多い。もちろん妻帯者は家族帯同が前提ですが、子供の面倒は祖父母が見ていたり、奥様のご意見もあったりと、ことはそう簡単ではありません。

グローバル、またはリージョナル(地域)で仕事をするためには、「出身国以外でのマネジメント経験」というのは必須と考えている企業は多いため、ここで問題が生じます。「どうやったら彼らに異国で働くマインドセットになってもらえるか?」という議論になるのですが、これは彼らが考える「人間らしい幸せ」を奪うことにもなりかねない。

「日本人や韓国人は世界のどこにでも行け、と言われば行って働くことができるけど、私たちはそれに興味はない」というコメントをくれた人もいます。「海外で働きたいですか?」と東南アジアの聞くと「全然」という答えが帰ってくるケースも多いです。彼らにとってはキャリア<普通の幸せだからです。(もちろん海外志向の強い層もいますし、例外もたくさんあると思いますがあくまで全体的な傾向です)

そう考えると、先進国の人たちが「豊かさを志向してきたけど、やっぱり家族の幸せを最優先すべきだ」と言っているのと、「家族が一番に決まってるじゃん」と思っている東南アジアの人たちに「どうやったらキャリア志向を持ってもらえるか」という議論をしている先進国の人たち、という構図はなかなか興味深いです。どちらか一方、というわけではないのでしょうね。