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Nationalityを活かしたリーダーシップ、という考え方

リーダーシップの開発は自分自身を深く理解し、自分らしくあることから始まるとすると、深い自己理解の根源にあるのは民族性、国民性である。Laurent(1986)は、”Nationality"は他のどんなcharacteristicと比べても最もマネジメント能力に影響を与える要素だと言っている。つまりNationalityは最大のLeadership Traits (リーダーシップ特性)だと言える。

そう考えると日本人がリーダーシップを学ぶ際に、「武士道」を読んだり、また日本の偉人が親しんできた「論語」を読んだりするのは納得がいく。「代表的日本人」に著される上杉鷹山西郷隆盛の生き方に触れると、日本人であれば自分自身の奥底にある何かに気付くような感覚になる。これはNationalityが自分自身を形作り大きな要因であるからだと思う。

同様に、アジア人にはアジア人それぞれ固有のLeadership Traitsがある。シンガポール人の心には「代表的シンガポール人」が、タイ人の心には「代表的タイ人」がいる。彼らに言わせるとそれは例えばリークアンユーであったり、タクシンであったりするらしい。(もちろん他にも色々います。)国が変わっても、自分を形作るNationalityをいかしたリーダーシップを学ぶことは、自己理解を深める上では常に大切だろう。

一方で、我々が欧米の経営者を研究することで得られることも、当然ながら非常に多い。NatilnalityはLeadership Traitsのあくまで一つであり、ユニバーサルなTraits(Henesty, Sincerity, Courage等)は多くあり、必ずしも自国だけで経営をするわけではない我々が、それらを学ばなければいけないことは当然だ。また、鏡の効用で、相対化する事で自分自身のリーダーシップ特性を明らかにしていくこともできる。

まとめてしまうと自国のリーダーからも他国のリーダーからもバランス良く学びましょう、と。この辺りの理論をもっと掘ってみたいと思いつつ、文献が英語のものばかりなのでなかなか進まないのと、国固有のLeadership Traitsは”Bushido"のように外国語に訳されていることの方が稀であり、かつ訳すと伝わらない世界だったりもする。果たして理解できるかという問題もあるわけですが・・まぁでもそういう世界が面白いんですよね。

(FBポストより転載)