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組織における「信頼」というインフラにどこまで依存すべきか、につい

今日は前職時代の懐かしの皆さんと語り合うひととき。そんな中でも色々考えさせられる時間でした。

話の流れで外資系企業の「退職勧告」の話題になって。ある大企業では金曜日の夕方に予告なく呼び出されて、その場でクビを宣告され、そのまま警備員とともにオフィスから退場。荷物はあとでダンボールに入れて送られますよ、というのが普通。外資系では珍しい話でも無いよね?そう言えば先日ベルリッツでもどう退職勧告をすべきか、というスキル(と英語表現)を教わりましたがそういう方法論が確立されていますよね。(僕がいた外資系はたまたま極めて家庭的でしたが)

それに比べると日系の信頼感の深さってのは奇跡的ですよね。そもそもクビってのが無いわけですが、辞めると決めても責任感持ってちゃんと引き継いで、時には有給も未消化で最後まで勤め上げて、不満があったはずなのに最後には「本当にありがとうございました」みたいな感謝のメールを書いて号泣。こういう日本人の組織へのコミット感っていうのは素晴らしい、と感じざるをえません。

一方で、その常識は世界から見たら非常識だったりするんだろうなぁと思ったりもします。

今日たまたまお客様とあるワークショップの設計の議論をしていて。「その場にマネジメントチームを同席させるべきか?」について意見が割れました。僕の思想では、(きちんと場を設計すれば)マネジメントチームを同席させ、忌憚なく意見を交わし合う事で組織の結束は強まり、メンバーの目線が上がる効果が期待できると信じていました。一方で、相手(シンガポーリアン)は「役職が違う者同士が本音で語り合う事は難しいし、チームビルディング効果は期待できないのでは。むしろ彼ら(アジアのマネジャー陣)は口を閉ざすだろう」と異なる意見。最終的に間を取った形でのトライとなりましたが、非常に面白い意見交換でした。

気付かされたのは、自分は勝手に信頼という組織内インフラに過度に頼っていたなぁということ。言いかえれば僕の組織開発スキルは日本文脈にまだまだ最適化されている、という事です。有難い発見でした。

とはいえ海を越えて通用するグローバルな組織開発の原理原則はあるわけで。そんなものを勉強し、トライアンドエラーしながら現場知に変えていくプロセスは極めて楽しいですね。