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内向的(Introverts)であること

このTEDを是非見てみてほしい。

●Susan Cane: The Power of Introverts

http://www.ted.com/talks/susan_cain_the_power_of_introverts.html


<主なメッセージ>

・内向的な人(introverts)は人口の3分の1から2分の1もいると言われている
・一方で、学校や職場では外向性(extroverts)が求められるが果たしてそれで良いのか。
・社会は内向的な人をもっと活用できる。グループ・ワークが全てクリエイティブな仕事に繋がるとは限らない。
ガンジー、エレノア・ルーズベルトなどのリーダーはシャイで内向的だった。リーダーになりたかったわけではないが、自らが正しいと思う事を実行していたらそうなった。
・内向的な人を活用するための提案3つ。1.常にグループ・ワークをするのを辞めよう。2.静かな時間を持とう。3.外向的な人も内向的な人も自分のアイデアを見せ合おう。


内向性、外向性とはユングによる分類で、
・「外向」外界の事物に関心が向く。環境適応が早い。周りの意見にあわせる(流される)。
・「内向」内界の主観的要因に関心が向く。思慮深い。周りの意見に左右されない。
とされる。(wikipediaより)

この2分類で全てを語れるとは思わないし、反対意見もあるだろう。しかし私はこのシンプルな枠組みは、企業の「リーダーシップ」「イノベーション」について考えるうえで、なかなか示唆があると思う。


まず「リーダーシップ」。一般的に言って、外向性を備えた人が、企業などの組織の中ではリーダーになりやすい。組織はコミュニケーションで成り立っている部分があるし、人を動かすのが仕事のリーダーは対外的にも対内的にもコミュニケーションができないと困ってしまうからだ。

一方で、リーダーシップ開発の現場で多くのリーダーの課題となっている「ビジョンを描く」能力は、恐らく内向的な人の方が高い。常に思慮深く、あるべき姿を考えているからだ。こういった人はThought Leadership(思想によるリーダーシップ)を発揮できる。

インターネットの発達で、内向的な人がリーダーシップを発揮する機会を多く目にするようになった。人とのコミュニケーションは苦手だが、素晴らしい文章を書いて人を惹きつけるリーダーを私は何人も知っている。こういった新しい形のリーダーはこれからどんどんと誕生するだろう。企業文脈でこういった特徴の人をいかに活用していくか?に注目したい。


もう一つは「イノベーション」。お気づきの通り、優れたアイデアの持ち主が皆外向的であるとは限らない。企業の技術者や研究者などで活躍していたり、また職人的な位置づけで価値を発揮していたりする人々だ。もちろん、組織がコミュニケーションで成り立っている以上、内向的であるがゆえに組織で価値発揮が出来ていない人も多いはずだ。

企業経営の文脈では、クリエイティビティやイノベーションは最重要課題になってきている。新しい価値を生むための「知の創造」が必要で、その為には「コミュニケーション」や「場作り」が重要だと言われる。具体的には「ワイガヤ」や「偶発的なコミュニケーションを生む空間設計」などが典型的な提案として挙げられる。

こういった発想は、内向/外向の視点で見ると、積極的には出てこない内向的な人のアイデアを場に出していくための仕組み、と言えるかもしれない。そうであれば、Face to Faceのコミュニケーションに頼らず、いかに自然な形でアイデアが共有されるシステムを創るか、内向的な人の立場で考えることが大切だろう。


いずれにしても、会社という組織をリードしている人に外向的な人が多いとすると、自分とは種類の違う人々をいかに理解し活用していくか、がこれまで以上に求められていくだろう。外向・内向というのは大括りな2分類だとは思うが、「多様性を活かす」のが経営テーマになる中で、実は最も身近で活用しどころがまだ残っているのがこの「内向/外向」という要素ではないか。そんな事を考えさせられるTEDだった。